新幹線延伸による北6西9周辺地区再開発の提案

前回、新幹線延伸による西9丁目、西8丁目通の廃止 と称して土地区画整理と新たな道路整備を行い、タワーマンションを中心とした新たな街づくりを行う提案をしました。

A案 既存道路をできるだけ活かす

今回はA案をベースに整備後イメージを立体化してみることにしました。大きく分けるとJR高架沿いにタワーマンション地区、地区中央に医療・商業地区、北8条通沿いを業務地区として整備します。1棟だけ離れた場所にタワーマンションがありますが、これはタワーマンションによる風の影響を緩和させる目的としています。

全体俯瞰イメージ

かつて北5西8のメム(湧水池)を源流としたサクシュコトニ川が流れていましたが、偕楽園緑地と清華亭は都市公園として再整備し、偕楽園緑地に人工池としてメムを復活させ、北大構内に復元されたサクシュコトニ川に接続します。

新たに整備する地域内の道路はすべて12m道路として冬でも緊急車両が安全に通行できるようにします。

東側からのイメージ

北8条通り沿いは30m高度地区として北大構内とのバランスに配慮します。札幌ではめずらしい曲線道路沿いのビル風景が見られます。

西側からのイメージ

北8条通を延伸して桑園側の北8条通に接続するイメージです。このイメージでは地表高低を表現していませんが、実際の交差点はアンダーパス時代の名残により地表から約2m路盤が下げられています。

北8条通を直線で鉄道高架と交差させるには高架支柱の一部撤去が必要となると予想されますので、この線形で交差できるかどうかわかりませんが、北8条通の延伸は桑園地区にとっても有意義だと思いますので是非実現してほしいものです。

新幹線延伸による西9丁目、西8丁目通の廃止

2030年末の開業を目指す北海道新幹線札幌延伸工事の住民説明会が開催されました。

北海道新幹線札幌都心部の工事に関わる住民説明会
https://www.city.sapporo.jp/shimin/shinkansen/documents/toshibu_setsumeikai_shiryou.pdf

公開された資料によると、西9丁目通、西8丁目通は地下から高架へのアプローチにより鉄道南北の往来が恒久的に不可能になるということが公表されました。

住民説明会資料から抜粋

また、アンダーパスを建設するにも地下10m~13mの深さとなることから200m~230mのアプローチが必要となることが示されています。

住民説明会資料から抜粋

北6条~北7条の西7丁目~西10丁目は碁盤の目として整備されておらず、西8丁目通は丁字路、西9丁目通は狭隘な道路となっており、再整備によりこの地区の生活道路を整備しつつ、渋滞が常態化する北5条通、北8条通、西11丁目通(石山通)、西7丁目通といった幹線道路の交通量増加を抑えることが重要だと思われます。

せっかく新幹線が開通するのに、札幌駅まで道路が渋滞しては意味がありません。ここでは、どのようにすれば幹線道路の渋滞抑制と生活道路を両立できるかを考えてみます。前提としては現在住んでいる方々への影響は避けられないものとして土地区画整理を行うことを前提としています。

A案 既存道路をできるだけ活かす

A案は既存の道路を活かしつつ、緑色でしめした北7条通と北6条通をアンダーパスで接続します。アンダーパスに必要な230mのアプローチはギリギリ確保できる想定です。また、北8条通は石山通と交差してそのまま直進して桑園側の北8条通に接続します。南北方向への移動が制限された分、東西方向へのスムーズな交通を確保します。

B案 大胆な土地区画整理事業を実施する

A案は可能な限り現在の道路を活かしましたが、B案では大胆な土地区画整理により道路を碁盤の目に準拠した直線道路で街全体を再構成し、札幌駅、桑園駅のどちらにも徒歩圏内という立地を活かしてタワーマンションを中心とした新しい街に作り変えしまおうという案です。

住民説明会資料に示されているアンダーパス案は南北方向だけしか考慮されていませんが、A案、B案ともに北7条通と北6条通を4車線のアンダーパスで東西方向の交通をスムーズにし、迂回により交通量が増加するであろう北5条通と北8条通の交通量を分散することを主眼に置いています。偕楽園を再整備しつつアンダーパスを建設できれば、道路がしっかり整備された魅力ある街に生まれ変わることができると考えます。