当掲示板で新琴似地区の交通問題が浮き彫りになりました。私も40年以上前に新琴似の住民でしたが、当時の課題が今でも解消していないことがわかりましたので、現在の状況確認と今後どのような整備をしていけばいいのかを考えてみます。
新琴似の道路整備状況
札幌市は新琴似1番線~6番線、第1横線~第5横線の拡幅、新琴似・新川地区と八軒・発寒地区を結ぶ複数の橋梁を建設するなど、地区全体としての道路整備はかなり進んでいると思われます。
新琴似の交通問題とは
新琴似東西を結ぶ道路や南北を結ぶ道路の道路整備は進みましたが、当時から問題となっていた新琴似の境界となる琴似栄町通から東側へ抜ける道路の整備が未だに進んでるとはいえない状態が続いています。
平成8年第3回定例会にて麻生五差路の交通渋滞緩和として新琴似6番通、新琴似3番通を西5丁目樽川通まで延伸することを検討しているとの答弁がありましたが、6番通は一部改良されたものの3番通に関しては改良が進んでいるようには見えません。
今回は新琴似1番通~6番通の琴似栄町通から東側の改良について考えてみます。なお、「当初の計画」といった表現は正式な計画であったかどうかの証拠が見つけられませんでしたので参考程度としてお考えください。
新琴似1番通
当初の都市計画では一番通をそのまま直進させて新川横1号線に接続する計画でしたが、平成16年に当初計画とは異なる形で琴似栄町通から東側に延伸されました。しかし、この延伸区間の問題としては対面通行でありながら、札幌新道の東進方向に接続する事実上の一方通行のような道路であり、札幌新道の西進側から1番通へ入ることはできません。
1番通の改良としては札幌新道の立体交差と札沼線の高々架があるため制約がありますが、立体交差区間を東側に延伸して札幌新道の西進側から一番通に接続する道路を新設することを考えました。
現況は琴似栄町通の手前で札幌新道の高架をくぐる道路を新設するには高さが不足してしまいますが、高架区間を東側に延伸させることで札幌新道の高架をくぐる道路の新設が可能になります。そこで、1番通に最短となる札幌新道と札樽自動車道に間に1車線の道路を整備し、札樽自動車道と札幌新道の高架下をくぐって一番通の延伸区間に接続させる案を考えてみました。
わかりにくいと思いますのでイメージを用意しました。
しかし、この案は1車線の道路を整備するために新たな用地買収と立体交差の延伸が伴うため費用対効果の観点から実現性は0に近いと思われます。
札沼線においては連続高架化により札樽自動車道を跨ぐ高々架として整備されましたので、札幌新道の立体交差を解消して平面交差に戻し、幹線道路へ交通を集中させるのではなく札幌新道から一番通に接続する道路を増やして交通を分散させることが現実的なのかもしれません。
新琴似2番通
2番通は地下鉄北34条駅のある札幌新道と西5丁目通との交差点まで伸びており、西5丁目通や札幌新道へのアクセスはしやすいのですが、2番通と琴似栄町通の交差点が変形交差点であるため交通の流れがよくありません。
新琴似2番通の改良点は3つあり、1つ目は2番通と琴似栄町通の変形交差点の改良、2番通と札幌新道、西5丁目通の5差路の解消、最後に2番通の拡幅です。
変形交差点の改良は言うまでもなく当然ですが5差路の解消が必要だと感じています。その理由として、札幌新道や西5丁目通はどちらも交通量がかなり多い幹線道路のため、必然的に2番通の青信号時間が短くなっています。2番通を西5丁目に接続するよう改良することで、札幌新道と西5丁目交差点の信号機と連動することで現在のような信号待ち渋滞も改善されると考えます。
新琴似3番通
琴似栄町通との交差点を始点とする3番通は幅員21mへの拡幅工事が進められていますが、交差点から東側は3番線連絡通と呼ばれる住宅街の街路で、西5丁目通まで直進することができないため交通の流れはよくありません。そのため、3番線連絡通の改良は新琴似地区や麻生駅周辺地区にとって重要であると考えています。
この区間は住宅地ではありますが4車線道路として整備することが必要と思われます。4車線道路として整備することでバス路線となることや4番通の渋滞改善が期待できます。さらに、麻生駅周辺の賑わいが3番通まで広がるように沿道を近隣商業地域に指定することを期待します。
新琴似5番通
現在の5番通は琴似栄町通の交差点で丁字路となっており渋滞の多い琴似栄町通の影響を大きく受けてしまいます。5番通の改良としては石狩街道に接続する道路の新設を考えました。
5番通の道路幅員は都市計画14mとなっていますので新設区間の幅員も14mとして整備し、石狩街道との交差点にある創成川に橋梁を新設して5番通から右折できるようにします。
新琴似6番通
当初の都市計画では6番通はまっすぐ石狩街道まで伸びて北46条通と接続する計画でした。しかしながら下水処理場の移転が進まず、6番通の延伸区間は当初の計画とはまったく異なる西進一方通行の1車線道路として整備されました。6番通改良の観点としては新琴似側の6番通側から石狩街道で右折できるようにすることですが、いくつかのケースを考えてみました。
ケース1:当初の計画を踏襲
当初計画の時代には現在の石狩街道は存在しておらず、旧街道(東1丁目通)が石狩街道でしたので、6番通と北46条通が石狩街道で十字路で交差しても大きな問題はなかったと思われます。
しかし、6車線の幹線道路として整備された現在の石狩街道が6番通と北46条通で交差すると旧街道との5差路となってしまうため、新たな交通渋滞の要因になってしまうことが懸念されます。そのため、旧街道の道路を部分的に廃止して旧街道から石狩街道への合流する交差点を150m先に新設することを考えました。
この案のメリットとしては6番通と北46条通を接続させることで石狩街道の交差点をそのまま直進して東8丁目通や東16丁目通へ向かう交通が分散されることでしょうか。デメリットとしては下水処理場の移転が必要になるため可能性がとても低いということです。
ケース2:西進一方通行を東進に変更
現在の延伸区間は石狩街道から左折して6番通へ抜ける1車線の一方通行道路のため、朝ラッシュの時間帯に新琴似地区から都心方面へ向かう車にとって全く役に立たない道路となっています。
この案は現在の西進一方通行道路を東進一方通行道路に変更し、石狩街道に右折可能な橋梁を整備するとともに、下水処理場の主要設備の移転を最小限に抑える経路で新たに西進一方通行道路を整備する案となります。
実際の交通量はわかりませんが、現状の西進一方通行道路の交通量はあまり多いように思えませんので、もしかすると新たな西進一方通行道路は整備する必要性は低いのかもしれません。
ケース3:既存の延伸区間を拡幅して対面通行化
6番通の延伸区間である一方通行道路の南側にある下水処理場の敷地に新しい施設の建設するだけの余裕があるように思えます。さらに航空写真で確認したところでは延伸区間を25m程度に拡幅しても移築が必要となる施設は施設全体のわずか一部だけのようです。
そこで、下水処理場の設備更新に合わせて道路拡幅の障害となる施設だけを移設して対面通行可能な道路として石狩街道に接続させる事を提案します。障害となる施設だけを移築することは難しのかも知れませんが、不可能なことではないと予想しています。
ここまで新琴似地区の交通問題を改善する案を考えてきましたが、道路拡幅は事業化されてから竣工まで20~30年かかる事業です。最も効果が大きい所からスピード感を持って事業化されることを願います。