真駒内再開発を考える

ここ数年間にわたり、真駒内駅前地区まちづくりに向けて検討が進められてきましたが、2021年12月2日に真駒内駅前地区まちづくりに関するオープンハウスが開催され、その資料が公開されました。

真駒内駅前地区まちづくりに関するオープンハウスの開催について
https://www.city.sapporo.jp/keikaku/kougai/makomanai/openhouse.html

【パネル3】土地利用計画2案(PDF:3,096KB)
https://www.city.sapporo.jp/keikaku/kougai/makomanai/documents/panel3.pdf

現段階ではまだ建物規模や配置は未決定決のようですが、土地利用計画について具体的な2案が示されていましたので、簡単にその内容を確認してみます。

【パネル3】土地利用計画2案から抜粋

真駒内地区を縦断できる唯一の道路である平岸通を駅前通に迂回させ、A街区と真駒内駅までを一体に整備するものです。平岸通は明治4年に開削した平岸街道を由来とする歴史ある道路で豊平区と南区石山を結ぶ幹線道路です。

真駒内はいわゆるニュータウンとして造成された住宅地で、1972年札幌冬季オリンピック女子選手村としても利用されました。案1の問題点は、やはり真駒内地区を縦断する唯一の道路をクランク状に迂回させてしまう点です。縦断可能な道路が複数あるのであればあまり問題はありませんが、補完する道路を新たに整備しないままクランク状にしてしまうのは防災面でも不安が残ります。

さらに、平岸通がクランク状になることで交通の流れが悪化して渋滞発生の頻度が増加すると共に、平岸通を迂回する通過車両が真駒内地区の生活道路に流入して交通事故が増加する可能性が高くなります。

【パネル3】土地利用計画2案から抜粋

また、交通広場は分断した平岸通の南側にしか接続されていませんので、北側へ向かうタクシーやバスは大きく遠回りして目的地へ向かうことになりそうです。

【パネル3】土地利用計画2案から抜粋

案2は平岸通と駅前通は既存のままとして、A街区に交通広場を整備するというものです。この案の問題点は交通広場から真駒内駅へは平岸通を横断する必要があるということです。現在でも平岸通のバス降車場を斜め横断して真駒内駅へ向かう人があとを絶たないとニュース番組でも何度か取り上げられています。

【パネル3】土地利用計画2案から抜粋

一方、良い部分としては平岸通がそのまま残り、駅前通もこれまで通り4車線が確保されることで新たな交通渋滞が発生するリスクが極めて少ないということです。

ここまで案1、案2を見てきましたが、掲示板にて案1の問題点を書かせていただいた所、いろいろな意見がありました。寄せられた意見を参考にしながら私案として考えてみました。

土地利用計画(私案)

私案では真駒内駅前に駅前広場を整備するとともに、平岸通の線形変更を現存建物を移転せずに実現可能な範囲で行うものです。また、平岸通の線形変更に伴い駅前通の線形を変更して錯覚による交差点事故を減らします。線形変更により空いた土地をD街区として再開発を検討します。また、交通広場との接続を考慮して真駒内団地6号線の平岸街道との接続部の線形の一部を変更します。

公式の案1、案2では街区間連絡導線としてB街区とA街区のみの連絡でしたが、私案ではC街区+B街区+A街区+交流広場を空中歩廊と建物内連絡通路で接続して、交流広場内に設置されるエレベータ付き階段にてすべてが結ばれることを想定しています。真駒内地区の住民は景観に対してとても厳しい目を持っているようですので、A1街区とD街区を結ぶ空中歩廊については否定的な意見が出る可能性があります。

公式案1、案2のような大規模ターミナルビルは建設せず、交通広場は東西線の発寒南駅バスターミナルのような待合室を整備するものとします。また、交通広場は平岸通や真駒内団地6号線と直結するため、バスターミナルからどの方向へ向かうバスも迂回なく最短経路で目的地に向かうことが可能です。

この私案は平岸通の線形変更を伴いますので用地買収が必要となりますが、地権が複雑ではないので不可能ではないと考えています。すべての課題を解決するのは難しいかも知れませんが、交通広場と真駒内駅とアクセスのバリアフリー化を実現し、防災面で重要な平岸通も多きな迂回が不要になります。

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